「おはようございます!」毎朝の明るいあいさつがモットーの中村さんは、介護ドライバー。自宅から病院までの送迎というタクシーを運転する仕事に加え、移動をサポートする介助をするのが仕事だ。
小さい頃から「おばあちゃん子」だったという中村さん。ヘルパーの知識があれば、体が弱いおばあちゃんの面倒もちゃんとみられるのではないかと思っていた。配達の仕事から転職をしようとしていた時だった。職安でヘルパーの養成講座があり、それを受講したことが、福祉への理解を深めていくきっかけとなっていった。
長年の運転の経験とヘルパーの知識を生かせる仕事として選んだのが、介護ドライバー。最近、タクシー業界でも注目されており、運転手の介護ヘルパーの資格取得にも力を入れている福祉事業だ。
ベッドから車イスへ。移動の際の介助は、毎日介護している人には大変な肉体労働。介護タクシーに乗った時には少しでも楽をしてもらいたいと考える日々だ。介助が大変な人には、診察室の入り口までお連れする。雪の日は、スコップで除雪をしながら、できるだけ近い場所に車を付けるようにするなど、男性ならではの力強く安心感のある介助を心がけているのだ。その甲斐あって、顔を覚えてもらい、「おまんに頼むでね」と次も指名を受ける時が、最もうれしい瞬間になった。
今後は、介護福祉士の資格を取得し、もっと専門的な知識を深めるのが目標だ。「役に立ちたい」と始めた仕事だが、さりげない会話の中で、逆に教えられることも多いことにも気が付いた。喜んで話してくれる笑顔で、自分もまた笑顔になれる。充実感とは何かを教えてくれるようだ。
(出典 アドバ2007年6月号「これが私の生きる道 第111回」より)
|